⑮【くらやみ祭イラストガイド(仮)制作絵日記】 [お祭り関連]

第15話はんてん.jpg

(その15:様々なトラブルを乗り越え、入稿終了)(トラブル編)

2019年1月~2月

横書きで書いていた原稿の文字を、全て縦書きに直す…
と言う予期せぬ大幅修正を行い、スケジュールの進行が
押されてきていた、この時期。
忙しさを後押しするかのように、様々なトラブルが続きました。

まず年の瀬の12月30日、突如ネットが繋がらない状態に。
大晦日も修復作業に追われ、結局、年をまたいで元旦早々
NTT基地局で故障があった事が判明。約3日間ネット社会から
隔絶されたのち、無事復旧。

続いて原稿を取り込んでいたフォトショップが、突然
「容量が足りない」と言う警告を出して、動かなくなりました。
それも2回も。
あれこれ調べて容量を増やし、不要なデータを片づける事で
乗り切りました。しかしずっと「最後まで無事に取り込めますように」
と祈りながら作業していました。

次は新聞やニュースでも取り上げられていたので、
ご存じの方も多いかと思いますが、宅ファイル便事件。
サイトに不正アクセスがあり情報が漏えいしたため、
入稿作業が佳境の最中に、突然閉鎖されて使えなくなりました。
これも急きょ別の入稿方法を駆使して、乗り切りました。

更にこの時期になって、原稿内容を確認して頂きたい
企業が何軒か生じ、そのやり取りに半月ほどを費やしたり
また以前取材にご協力頂いた方々に、出版のご報告をする作業では
大半の方が好意的だったのですが、中には(完成した原稿を
見ていないのに)「そんなくだらない本に名前を出されたら、私の名に
泥がつくかもしれない」と言って、乱暴に電話を切る人がいたり。

とにかく忙しい時期と言うのは、なぜか胃が痛くなる様な
不測の事態が次々と(まるで呪いでもかけられているかの様に)
出て来ます。とは言え締切まで時間がないので、へこんだり
怒ったりする余裕はなく、ひたすら前だけを見て進みました。
さながら難解なゲーム(RPG)を攻略している様な感覚。
いずれにしても機械系に弱いので、機械物が壊れるのが
一番嫌でしたね。

こうして最後まで、かなりタフに制作を進めていき
どうにか無事に入稿作業が終わった時は、心底ほっとしました。
通常ならイラストレーターの仕事はここで終わり、なのですが
今回の作品は私が企画立案者なので、この先は新たに
作品制作とは全く異なるジャンルである、「販売促進作業」
に向けて、次なる一歩を踏み出す事になります。

(イラストは色とりどりの半纏の図)


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⑭【くらやみ祭イラストガイド(仮)制作絵日記】 [お祭り関連]

第14話二之宮青年会.jpg


(その14:発売時期と、タイトルと。 打ち合わせ編)

2019年1月

2019年の年が明けてすぐ、編集者のN村さんと
打ち合わせをしました。思えば昨年の夏から秋にかけて、
ずっと家に籠って描き続けていたので、N村さんに
お会いするのは実に半年ぶりです。

そして、今までは漠然としたイメージでしかなかった「本」が
原稿が仕上がりつつある今は、大分具体的な物として
私達の頭の中にありました。なので打ち合わせのテーマも
かなり具体的な内容になりました。

例えば
N村さん「発売時期は当初の予定通り、4月初めに決めましょう」
かぶらぎ「確かに、府中のお祭りは5月の初めに開催されるから
(正式には4月30日~。盛り上がるのが5月の連休中)
その直前の時期が、町内の人々が集まって準備を始めたり、
町中がお祭りに向けて勢いのある時だから、それがいいですね」とか。

また「本のサイズはA5判、ページ数は144頁にしましょう」とか。
他にも、カラーページとモノクロページの配分や、値段設定、
販促の方法など、いろいろ細かく話し合いました。

ある程度サクサクと事が決まる半面、お互いの意見が
上手くかみ合わず「この案件はとりあえず先送りに」と言う物も
中にはありました。その先送りにした案件の一つに、肝心要の
「タイトルを何にするか」も含まれていました。

ずばり『くらやみ祭イラストガイド』が、わかりやすくて
いいんじゃないか…と、私は単純に思っていたのですが
N村さん曰く「他の土地で『くらやみ祭』と言われても
知らない人が多いと思う…」と、代替え案を出してくれました。

私は前に出版した本が、やたらタイトルが長くて結局
誰にもスムーズに覚えて貰えなかった苦い思いがあるので、
出来ればシンプルで、覚えやすくて、わかりやすい
タイトルにしたいと思っているのですが…いざ考えてみると
これがなかなか難しい。
でも、こうやって「ああでもない、こうでもない」と話し合っている
時間も、一冊の本を作る事に向けてワクワクと楽しいもの
だったりします。

最後にN村さんと「スケジュール進行は、今の所
特に問題はないけれど、なるべく早め早めに作業を進めましょう。
いくら早めに進めていても、いつもギリギリになって
何かしらバタバタして、結局押せ押せになったりするから…」と
いう点では、今回初めてお仕事を組むはずなのに
見事に意見が一致して、打ち合わせを終えました。

そしてその予言(?)通り、その後は「もしかしたら
呪われているんじゃなかろうか?」と思えるほどに、次々と
細々としたトラブルが立て続けにやってきました。
その話は、また次回。

(イラストは二之宮の青年会について。
空白の部分にはフォントで文字が入る予定です。)

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⑬【くらやみ祭イラストガイド(仮)制作絵日記】 [お祭り関連]

第13話お囃子.jpg


(その13:原稿は縦書きですか、横書きですか!?)(着色と文字編)

2018年11月~12月

この時期はずっと家に籠って、黙々とカラーページ用の
着色作業を行っていました。

普段の仕事ではペン(マーカー)を使って着色する事が
多いのですが、今回はあえて鉛筆と水彩絵の具を用いてみました。
理由はお祭りで用いられている絶妙な色味を正確に描くとなると、
ペンだとどうしても色数が限られしまうからです。
しかし一つだけ問題があって、それは筆はペンよりも
塗るのに3倍ぐらい時間がかかる事。(当社比)

従って、来る日も来る日も机に向かう日々に。
描いても描いても、一日せいぜい1枚~3枚ほどしか仕上がらず、
正直、発狂しそうになりました。「このままずっと、
終わらない着色の世界に居続けるんじゃなかろうか」と
思うぐらい、ずっと色を塗り続けていましたが、
11月末にようやく作業は終了。空けない夜はない(涙)

しかもこの時点で、早くも原稿が9割方できた状態です。
気持ちにも大分余裕が出ていた矢先…重大な事が発覚します。

私が家に籠って着色に没頭している間、編集のN村さんは
約束通り無事、新しい出版社を立ち上げられ、順調なスタートを
切っていました。そのN村さんが「この辺りで一度、
完成をイメージしたデザインを流し込んでみましょう」と言われ、
完成見本の原稿を作って下さったのはいいのですが…
それを見た時、咄嗟に「あれ?これ、ものすごく読みにくい…」と
言う事に気付きました。

結論から言うと、本は基本的に『左綴じ右開き』だと横書き文字、
『右綴じ左開き』だと縦書きの文字が読みやすいそうです。
しかし、私は頭の中で完全に「横書き文字」の状態のまま
『右綴じ』の本を作っていたので、読みにくい事この上ない。
これは…治すべきか否か。
でも治すとしたら130ページ分ぐらいあって大変だし、
そもそも横書きをイメージして描いた原稿を、今更
縦書きにしたら、空間や絵のバランスがおかしくなるんじゃ
ないだろうか?

しばし葛藤。
でも、やはり少しでも読みやすい物を作りたいと思い
「文字を全て縦書きに治す、作品のレイアウトも修正して正す」事を
決めました。そしてこの作業は想像以上に大変で、非常に
時間を要し、再び家に引きこもる日々が始まりました。

(イラストはお囃子道具の説明図です)

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